現代病ともいわれるアトピー性皮膚炎は、いまでは珍しくない皮膚の病気ですね。アトピーは、子どもだけではなく大人になってからでも発症してしまうのでとても改善に苦労します。また、アトピーになってしまうと強いかぶれや湿疹に耐え切れずにステロイド剤を使ってしまうことが多いです。このことが原因でのちのち色素沈着に悩むということもよくあることです。アトピーになる原因やステロイドを使ったことによる色素沈着で悩むの方のためにまとめてみました。
アトピーの原因ってなに？
アトピー性皮膚炎の原因はいったい何なのでしょうか？
これは、誰もが知りたいことなのですが、”はっきりと分からない”というのが現状です。遺伝が原因という説、欧米化した食生活、生活習慣の乱れ、ダニ・ハウスダスト・菌などの生活環境やさまざまな原因が考えられるのです。
また、アトピーだけでなくアレルギーの原因では、ビオチン欠乏症という説もあります。ビオチンという言葉自体あまり耳にしませんが、ビタミンB群に分類される水溶性ビタミンでビタミン7とも呼ばれています。ビオチンは、腸内の善玉菌によって供給されます。また、食品から身体に取り入れることもできます。そのため通常の食生活では欠乏症にはなりません。腸内細菌のバランスが悪くなることで、ビオチン欠乏状態になってしまうケースもあります。ビオチン欠乏は、肌や髪の毛やアレルギー疾患の原因といわれています。
アトピー性皮膚炎との関連性は分かりませんが、ビオチンでアトピーが改善したという結果も出ています。
ステロイドを使うと色素沈着するの？
本当のところはどうなの？ということの1つにステロイド外用剤の問題です。ステロイド剤＝悪という風潮がありますが、本当はステロイド外用剤で色素沈着にはならないのです。
アトピー性皮膚炎で色素沈着が起こるのは、「炎症性色素沈着」です。炎症、つまり湿疹のために起こる、ということです。
ステロイド外用剤を使う際にきちんと説明を受け、正しい使い方が必要のようです。私たちが誤解しているものは、強い炎症後には表皮からメラニンが真皮に落ちて起こります。ステロイドの使用後に色素沈着が起こってみえてしまうのは、ステロイドを使用する前の皮膚は、真っ赤になり強い炎症が起こっていることが多いのです。もうこのときすでにメラニンが真皮に落ちているのです。でも、皮膚の表面が真っ赤なので見えていません。色素沈着が起きるのは、その「炎症」のためです。炎症が起きると、皮膚はメラニンという色素を作り出します。これこそが黒ずみの原因です。皮膚の炎症を何度も繰り返すのがアトピー性皮膚炎の大きな特徴であることを考えると、黒ずみやすいのも仕方がないかもしれません。色素沈着は、通常半年以内で取れますが、炎症が余り長期に続くと長期間取れないことがあります。
ステロイドを使用することのメリットは、症状に対して即効性があり、効果が高いことです。反対にデメリットは、間違った使い方をすると副作用が現われることです。薬には、よい点と副作用が生じるのは仕方のないことかもしれません。
ビオチンをとるとアトピーは悪化するの？それとも改善される？
ビオチンは、アトピー性皮膚炎の人にとってはとるべきものなのでしょうか？
こうしてみるとアトピーにかかわらず、何らかのアレルギーを持っている人はビオチンをうまく吸収できていないのかもしれません。なぜなら、通常の食事でビオチンは足りていますが、腸内環境が悪くなると不足してしまう栄養素なのです。アレルギー疾患のある人の腸内環境を改善するとアレルギーがよくなったという結果は出ています。ですから、ビオチンをとることで皮膚炎は改善されるのです。
ただ、ビオチンをとるときに注意すべきことは、卵の白身を生でたくさん食べないことです。これは、ビオチンの吸収を阻害してしまうからです。また、フェカリス菌という乳酸菌も同時に摂取しないことです。一部のヨーグルトに入っている乳酸菌でビオチンを食べてしまいます。死んでいる菌なら大丈夫です。
アルコールやニコチンが分解される時に、ビオチンが消費されます。飲酒や喫煙は控えた方がいいです。
まとめ
ビオチンは、あまり知られていないビタミンですが、マルチビタミンなどのサプリメントに配合されていることが多い成分です。
アトピー性皮膚炎の原因が分かっていない現代ではなかなかアトピーをなくすことは難しいかもしれません。アトピーでつらいのが外用剤による色素沈着ですが、使い方やビオチンをうまく併用することで改善できる方法が分かりました。上手に組み合わせながら肌の改善ができるといいですね。