人間の目は、起きているかぎり開いて光を感じています。あまり自覚がありませんが、かなりの時間を光とともに動いてます。
目に与えるダメージは視力低下だけにかぎらず、さまざまな目の病気に関係してくると思われます。目を酷使するようなものが多い現代において、目の疲労を少しでも軽減でき、回復できるものは何があるのでしょうか?
最近、よく耳にするルテインとブルーベリーはどちらが目にいいものなのでしょうか?どんな違いがあるのでしょうか?
ルテインとはどういうもの?
ルテインとは、強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種です。マリーゴールドやほうれん草、にんじん、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれる成分です。ルテインは体内で作ることができないので日常的に食物からとらなければいけません。ルテインは、目の中の黄斑部や水晶体以外に皮膚にも存在し、乳房や子宮頚部に多く存在することが知られています。
特に眼の水晶体と黄斑部に存在する主要なカロテノイドはルテインとゼアキサンチンであるため、これらの部位が正常に機能するために重要な働きを果たしています。
ルテインの働きで特に注目を集めているのが、強力な抗酸化作用です。
目はまぶたを開けている間、休むことなく働き続けています。目は光を感じることで紫外線を含む日光や、蛍光灯、電球の光、携帯電話、パソコン、テレビなどからダメージを与え続けられています。これらの光から発生する青色の光(ブルーライト)があり、活性酸素を発生させる要因となります。青色の光は光の波長が短く、特に力の強い光であるといわれています。目の細胞に与えるダメージも強大であるため、人間の目は非常に活性酸素が発生しやすい環境にあるといえます。黄斑部や水晶体に存在するルテインは、それらの有害な光によって発生する活性酸素を除去し過剰な発生を防ぐ効果があるのです。
ブルーベリーとは?
ブルーベリーは、ツツジ科のスノキ属の小果樹で、その果実が濃い青紫色に熟すことからブルーベリーと呼ばれています。この仲間の植物は、北半球の各地に自生する種類があります。欧米では昔から、野生のブルーベリー果実を摘んで食用にしていました。
このブルーベリーやブドウ、赤シソなどに含まれる青紫色の色素成分がアントシアニンとよばれ、眼精疲労の回復に効果があるといわれています。これは、活性酸素の発生をおさえる抗酸化作用があるためです。これには、第二次世界大戦でイギリス兵が毎朝ブルーベリーのジャムを食べていたことから有名になったものです。出撃時の視界がよく見えていたことから戦後、研究が進められ「アントシアニン」が目の機能向上に貢献していると発表されたのです。
ひとの目の網膜にあるロドプシンは、目に侵入した光をシグナル化して脳に発信します。ものを見るのに必要な働きをするのがロドプシンですが、加齢や疲れ目で減少してしまいます。ブルーベリーにあるアントシアニンがロドプシンの合成を促してくれる作用があるのです。
どちらが視力回復にいいの?
加齢とともに黄斑変性症や白内障が増加するのはルテインの減少と関係があるといわれています。
いっぽう、ブルーベリーの摂取によって夜間の暗順応機能は促進されることがわかっています。ブルーベリーで視力が改善され、夜目が効くようになったという研究結果が発表されています。
視力低下は、角膜・水晶体・網膜・視神経といった場所に病気が起これば低下してしまいます。角膜に傷がついたり混濁してしまう場合、白内障や緑内障、網膜剥離、糖尿病網膜症でも視力の低下を伴います。また黄斑円孔や加齢黄斑変性症など視力の一番重要な黄斑部の病気では急激な視力低下をもたらします。
どちらのほうが視力回復に良いか?という点にかんしては、ルテインを摂ることで加齢とともに増える黄斑変性症や白内障の予防とともにそれにともなう視力低下にも役立つと思われます。ですが、単体で摂取するよりも混合して摂取することで相乗効果がみられるようです。
ルテインは、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンがルテインの成分をからだの隅々まで運んでくれるのでより効果的に体内へ取り入れられるのです。
まとめ
ルテインは体内に存在する成分ですが、つくることができないため加齢とともに減少してしまうことでさまざまな目の病気を起こしやすくなってしまいます。ルテインを食べものやサプリメントで補給することは重要です。このとき、相乗効果のあるブルーベリーなどに含まれるアントシアニンがルテインをからだの隅々へ運んでくれることがわかりました。
どちらの成分も目の疲労や改善に効果がありますが、単体で摂るのではなく両方が含まれるものを選ぶことが大切ですね。