貧血という言葉を聞くと女性に起こりやすい！とか、血が足りない！ということをイメージしますね。では、どういった栄養素が不足して起こるのでしょう。
まずは、鉄分が不足しているんだなと思うのが一般的ですね？貧血で倒れると鉄剤を処方されたりしますが、最近よく耳にするのが”葉酸”というサプリメントではないでしょうか？
では、貧血予防には葉酸がいいの？それとも鉄分のサプリメントなの？という疑問ではないでしょうか？何がどう違うのでしょうか？いったいどちらを摂るのがいいの？という疑問についてまとめてみました。
貧血ってどうしてなるの？
そもそも貧血とはどうして起こるのでしょうか？
酸素を運ぶ赤血球が不足することが貧血です。貧血とは、血液中で酸素を運ぶ働きをする赤血球や血色素（ヘモグロビン）が少ない状態のことを言います。赤血球は血液の主成分であり、酸素を全身に運んで二酸化炭素を回収してくれます。酸素を運ぶ赤血球などが少ないため、身体は酸素不足になってしまいます。赤血球や血色素は主に鉄分でできています。そのため、鉄分が不足すれば、赤血球や血色素が不足し、貧血になります。
貧血には次のような種類があります。
【鉄欠乏性貧血】 その名のとおり、鉄不足が原因です。鉄不足が起こる原因として、食生活の乱れ、ダイエットによる栄養不足などが挙げられます。そのため、若い女性に多くみられますが、最近では男性も気をつけておかないといけませんね。また、食生活が乱れることによって、鉄だけでなく、ビタミンやたんぱく質などの栄養素も不足しがちです。
【出血性貧血】 事故や手術などによる急性もありますが、女性は月経により出血が続くことで貧血になることがあります。病気の場合は、胃がんなど消化器の疾患による継続的な出血です。月経多血症や子宮筋腫、子宮内膜症は慢性的になりやすいので
普段の予防が必要です。男性でも痔による出血で貧血を起こす場合があります。
【溶血性貧血】 正常な赤血球は通常120日間働いてくれます。ところが、この寿命が短期間になり、血管や組織内で赤血球が壊れてしまうことで起こります。通常は、赤血球が減少すると作られるのですが、減る量のほうが上まわってしまうと貧血になってしまいます。壊れる原因は、遺伝的なものと後天的性に分かれます。
【再生不良性貧血】 骨の中の骨髄にある血液を造るもとになる細胞「造血幹細胞」が減少することにより、白血球、赤血球、血小板のすべてが減少する病気です。再生不良貧血は原因不明のことが多いのです。確実な治療法もない為に、難病の１つに指定されている貧血です。
【悪性貧血】 悪性貧血は、ビタミンB12の欠乏によって引き起こされる、自己免疫疾患性の貧血です。体内にビタミンB12が足りなくなると赤血球の生産量が減少して貧血になります。原因としては、ビタミンB12を吸収するための内因子が分泌されていない、もしくは、吸収を阻害する物質が分泌されている、という2つの理由が挙げられます。
葉酸と鉄分ってどんな違いがあるの？
葉酸は水溶性ビタミンである、ビタミンBの一種です。一方、鉄分は、体内へ酸素を運ぶ赤血球を作る材料です。葉酸は、ほうれん草やブロッコリー、春菊などの緑黄色野菜に含まれています。鉄分は、みなさんもご存知のようにレバーなど肉や魚、貝、海藻、野菜に含まれている点では違いがありますね。不足するとどちらも貧血症状が出てきます。なので、どちらが不足して貧血が起こっているのかについてはなかなか分からないのです。
貧血の症状が出るととっさに「鉄分」を思い浮かべませんか？でも、貧血の種類によっては葉酸が必要だったりします。なので鉄分を補給しても改善されません。鉄分不足による貧血と葉酸不足による貧血の明確な症状の違いはないのでなかなか判断ができないです。
葉酸を補充すべき点
葉酸は、たんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割があります。胎児は細胞分裂が誰よりも活発に動いていますよね。なので、妊娠中の女性には重要な成分なのです。また、人の赤血球の細胞の形成を助けてくれます。最近では、成人において脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患を防ぐという研究結果が多数報告されています。
葉酸は、食べ物で摂ろうとするとほうれん草なら1束、アスパラガスなら16本も必要となります。こんなたくさんの量をしっかり摂れているでしょうか？なかなか毎日の食事からは難しいことが考えられますね。だからこそ、補充すべきなのです。
まとめ
ひとことで貧血と言っても、種類や原因はどれぞれ異なってきます。でも、女性はとくに起こりやすい症状だということが分かりますね。食べ物だけではうまく吸収できないので意識しながら摂りいれておくべき栄養素です。