便秘になるのは、女性が圧倒的に多く、これはダイエットにとっても敵といえるでしょう。繊維質の多い食べものや朝起きたときの水1杯を飲むことや決まった時間にトイレに行く習慣など。ちょっとの工夫ですぐに解消できそうなのになかなかうまくいっていないのはなぜでしょうか?
何をしても出ない!というときにどうしてもくすりに手が出てしまいます。でも、くすりって安全なのでしょうか?副作用はないのでしょうか?また、サプリメントはゆっくりしか効果がないのか?なども気になるところです。便秘薬とサプリメントについてまとめてみました。
目次
どんなタイプの便秘なのかを知ろう
何をやっても何日も排便ができないとイライラしてしまってどうしても便秘薬に手が出てしまいます。でも、くすりって安全なのでしょうか?また、どんなくすりが良いのでしょうか?
慢性的な便秘は、宿便が3~5kgもたまってしまっているといわれています。健康な人でも便秘は起こりますが、出血などの異常がみられたら、大腸ガンなどの疑いもあるので便秘といっても安心はしていられません。大きな病気を併発しないためにも便秘を改善しておきたいものです。
そこで、慢性的な便秘の場合にどんな便秘の種類なのかをまず知っておく必要があります。便秘の種類によってくすりも変わってくるのです。便秘の原因は大別して3つになります。
弛緩性(しかんせい)の便秘
栄養分が吸収されたあとの水分の混じった食物カスは腸管を通過して大腸から直腸を経て便となって体外へ排出されます。この場合、腸管の運動が弛緩すると腸管での通過時間が長くなり、そのあいだに必要以上の水分が吸収するので食物カスは硬い固形物の状態となります。こうなると腸のぜん動運動に対して動きが悪くなるので排便されにくくなるのです。デスクワークの人、運動不足の人、高齢の方などに多くみられます。
けいれい性(緊張性)の便秘
腸管のぜん動運動が過激になって食物カスがこの運動に追随できない状態となると、食物カスは腸管を移動せずに圧縮されて排便されない状態となるか、排便されても細い便や細切れの便となってしまうのです。職場、家庭などでストレスをもっている人に、多くみられる便秘です。
直腸性の便秘
食物カスは直腸部分に到達していますが、排便OKのサインが脳に伝達されないため排便されない状態となります。便意を我慢することが多いと排便のサインの授受が機能しなくなります。これが、直腸性の便秘です。
それぞれのタイプにあった薬やサプリメントについて
市販の便秘薬は、弛緩状態の症状を改善するためのものがほとんどです。そのため、便秘が悪化したとか、効果がなかったという場合には間違った方法で試しているのかもしれません。
弛緩性の便秘薬の主成分はセンナ葉、センナ末、センナエキスもしくはセンナから抽出したセンノシド、ピサゴジル、ダイオウ、アロエです。これらは、腸を無理やり刺激するので腹痛が続いたり、刺激をしないと便が出なくなったりします。こうならないようにするにはサプリメントが有効でしょう。弛緩性の便秘で効果があるのは食物繊維、ビフィズス菌、乳酸菌です。
けいれん性の便秘は、大腸が過剰に動いて便秘になっているので不溶性食物繊維は逆効果です。水溶性食物繊維を摂るようにします。けいれん性の便秘の原因には、生活習慣の乱れ、睡眠不足、精神的なストレスなど、自律神経に影響を与えることが関係しています。これらの見直しをまず行いましょう。乾燥したコロコロ便しか出なくなってしまっているならば、腸に潤いが不足しています。こういうときにおすすめなのは、ゴマ、くるみ、松の実、ハチミツ、ヤマイモ、白菜、桃など、腸の潤滑油となってくれる食べものです。センナ、大黄、ドクダミ、アロエの配合された便秘薬は逆効果となります。
直腸性便秘は、水分摂取、食物繊維(水溶性食物繊維)や腸内環境を整えるビフィズス菌、乳酸菌を含む食べものやサプリメントをバランスよく摂取して便意を促します。何よりも直腸性便秘に重要なことは、便意を感じたときは我慢をしないですぐにトイレに行くことが大切です。便秘薬を常用していると直腸性の便秘になってしまうケースが多くあります。
薬とサプリメントはどっちが安全?副作用は?
慢性的に便秘になっている場合には、最終手段としてどうしてもくすりを使ってしまいます。ところが、便秘薬で排便が可能になるのは、くすりの力で腸に刺激を与え、便を柔らかくしているからなのです。本来の働きが自然に行われているわけではないのでからだに負担がかかってしまいます。服用時に激しい腹痛や下痢が起きるのはこのためです。また、常用することでますます大腸の動きが鈍くなってしまい、重篤化したり、副作用が発生することもあります。
いっぽう、サプリメントはゆっくり効果が出てくるものです。副作用はないのですが、効果を感じるまでに時間がかかるかもしれません。何日間も排便できない場合には同じものではなく、いくつかのサプリメントを試してみるのも必要です。飲むタイミングや摂取量も調整してみましょう。また、慢性化しているのであれば、じっくりと生活習慣を見直し、からだに合ったサプリメントを選んでいきましょう。
まとめ
便秘には大きくわけて3つタイプの便秘があります。どの便秘なのかをまず確認することが大切です。間違った方法で解消しようとしても余計に悪化させてしまうことがあります。
慢性的な便秘のときはどうしてもくすりに頼ってしまいがちですが、くすりには少なからずの副作用があります。また、自然な便意ではないのでますます便秘になってしまうケースもあります。
日ごろから安全なサプリメントで改善を促していくことがいいでしょう。乳酸菌の種類や食物繊維の組み合わせなどもからだと相談しながら摂っていくことをおすすめします。これに加えて日々の生活の中で腹筋やストレッチなども取り入れてみることも大切ですね。