野菜や果物、海藻などに多く含まれる食物繊維は、現代では第六の栄養素と言われています。五大栄養素は、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルですが、これに次ぐ大事な栄養素なのです。
食物繊維は昔から便秘の解消になるとか、便通を整えてくれるということで知られています。ところが、最近は食物繊維不足が原因でさまざまな生活習慣病の原因になっているということなのです。だからこそ、現代では五大栄養素に次ぐほど大切な栄養素であると位置づけられているのです。では、食物繊維で便秘は本当に解消されるのか?また便秘で引き起こされる怖い病気はどういったものがあるのか?についてまとめてみました。
食物繊維不足は便秘だけじゃなく大腸ガンになる?
近年、生活習慣病という病気が多くなっています。その原因には、食生活が原因であるといわれています。現代は、加工食品と呼ばれるものの摂りすぎで食物繊維の摂取量が減っているのです。腸は、第二の脳と呼ばれるほど大切な臓器です。食物繊維がその腸のなかでさまざまな活躍をしてくれます。このことは生活習慣病を退治してくれるということで脚光を浴びるようになってきています。
食物繊維が不足すると便秘になるというイメージがありますね。そして、便秘が引き起こす病気としては大腸がんがあります。
大腸がんは、脂肪の摂取が多く、食物繊維が少ないことで誘発物質ができるのです。便の量が少なくなると食べ物のカスが長く腸に残ったままになってしまいます。食べカスは発ガン物質として腸の中に長く滞在するため、大腸ガンを引き起こす原因になるのです。台所に生ごみが溜まったままを想像すると分かりますよね?これが、からだの中で起きてしまい、とても怖ろしい病気とつながってしまうのです。
このほかにも食物繊維はさまざまな病気の予防になる栄養素なのです。
食物繊維を摂っても便秘が解消されないのはなぜ?
怖ろしい病気に発展しないためにも便秘を解消したいものです。では、食物繊維を摂っているにもかかわらず、便秘が解消されないのはどうしてなのでしょうか?
それは、どんな食物繊維を摂っているのか?ということに理由がありそうです。1口に食物繊維といっても食物繊維には種類があります。「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類です。そして、その働きもそれぞれ違っています。
便秘がまったく解消されない!とか余計にひどくなってしまう!なんて人の場合は、この”不溶性食物繊維”をたくさん摂ってしまっているのかもしれません。
不溶性食物繊維と呼ばれるものは、大豆、いんげん豆などの豆類、ブロッコリー、ごぼうなどの野菜類、さつまいも、さといもなどのいも類に含まれます。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らむことにより腸壁が刺激され、便が排泄する動きを活発にしてくれます。また、有害物質を体の外に排出させる働きもあります。
ところが、不溶性食物繊維だけを過剰に摂ってしまうとおなかが膨みすぎてしまい、腸に正常な刺激が伝わらずぜん動運動が行われなくなるのです。
摂取量と〇に注意すると便秘は解消される!
では、どのくらいの量を摂取すれば便秘は解消されるのでしょうか?また、どんな点に注意すれば便秘は解消されるのでしょうか?
厚生労働省では、18歳以上の男性の場合、食物繊維の摂取目標量は19g/日、18歳以上の女性の場合は17g/日と目標値が決められています。
でも、便秘を解消するためには摂取量だけではなく、どんな食物繊維をどのように摂るのかが重要となります。
実は、水溶性と不溶性のバランスがもっとも大切なのです。
水溶性食物繊維は、水に溶け、ゲル状の成分となって腸内の有害物質や老廃物を排出しやすします。いっぽう、不溶性食物繊維は水に溶けずその代わりに吸水性が高く、水を吸収してすごい量に膨らみます。食物繊維を摂取するバランスは、不溶性:水溶性=2:1が良いとされています。このバランスを意識することで便秘は解消されるのです。
食べ物だけでこのバランスを整えるのは難しいかもしれません。なかなか便秘が解消されない場合は、サプリメントを補うとバランスが整いやすいでしょう。
まとめ
現代では、さまざまな生活習慣病が増えています。その大きな原因が腸内に問題があるといわれています。食物繊維は、便秘解消だけではなくさまざまな病気を予防してくれる栄養素でもあります。また、便秘から引き起こされる病気も多いので長年便秘で悩んでいる場合は、食物繊維の量や摂りかたを見直してみることをおすすめします。
病気だけでなく、便秘のせいで肌あれがひどいとか、からだが重たい、痩せないなどの美容の悩みも出てきます。便秘解消をしたら、まず気分がいいですね。理想的な毎日を送れるためにも試してみてください。