コエンザイムQ10は、人間のからだの中に存在する成分です。酵素の働きを助ける補酵素の1つです。年齢とともに自ら合成する量が減ってくることでさまざまな支障が出るようです。
ところが、このコエンザイムQ10をサプリメントなどから摂り入れることで老化防止や抗酸化作用のほか、ダイエットにも効果があると期待されています。コエンザイムQ10のダイエットにかんする効果についてまとめてみました。
コエンザイムQ10はどんな働き?
コエンザイムQ10は補酵素と呼ばれ、筋肉を動かすエネルギーを作る際に必須の物質です。基本的には体内で合成されますが、鰯などからも摂取できます。コエンザイム10の合成能力は加齢とともに低下してしまい、40代では20代の2/3、70代では半分以下になってしまうといわれています。年齢とともに筋肉が動かなくなるのはこのためです。また、中年期を過ぎると心臓病のリスクが跳ね上がります。その原因の1つは体内でコエンザイムQ10が合成できず、心臓の動作が低下するためです。
心臓に多く存在するコエンザイムQ10は、もともと日本では心臓病のくすりとして使われきました。
そんなコエンザイムQ10が美容やダイエットに効果があると期待されてきたのはどういったことからなのでしょうか?
脂肪燃焼とコエンザイムQ10の関係
人間が動くためのエネルギーは、ミトコンドリアの中で作られます。ミトコンドリアの中に取り込まれた脂肪酸を、コエンザイムQ10が燃やしてエネルギーに変換するので、人間は身体を動かすことができます。
コエンザイムQ10そのものがミトコンドリアに作用しているわけではありません。糖質や脂質がエネルギーに変換される時に使用される物質は、ATP(アデノシン3リン酸)であり、このATPを作るためには代謝で働く酵素を動かす必要があります。補酵素であるコエンザイムQ10は、この酵素を動かす役割を持っています。つまり、ミトコンドリアがエネルギーを作り出すために、コエンザイムQ10は欠かせません。
年齢を重ねるごとに減少するため、回復力や体力が衰えていくのは、体内にあるコエンザイムQ10が減少していくからだと言われています。
このエネルギーを作り出す力から脂肪の燃焼につながり、ダイエット効果が現れるのです。
コエンザイムQ10がダイエットに効果がある理由
ダイエット効果を促進させるためにも、コエンザイムQ10は重要です。コエンザイムQ10は自身が抗酸化作用を持っているだけでなく、他の抗酸化作用成分(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドなど)の働きを促進する効果があるのです。
細胞が酸化してしまうと血管内の血液に含まれるコレステロールも酸化してしまいます。これは、動脈硬化を引き起こす要因ともなってしまいます。動脈硬化は、血管が狭くなることによって、血液の流れが悪くなり、各器官への栄養供給が滞ってしまいます。このことで各器官の老廃物も排出されにくくなり、むくみや冷えといった症状があらわれてきます。これは、ダイエットにとってもマイナスの要因ですね。
ダイエットのためには、若いときのようにエネルギーをたくさん生み出す必要があります。そして、そのエネルギーをどんどん燃焼させることでまたエネルギーが生まれるのです。
エネルギーとして使用されなかった脂質や糖質は、脂肪という形で体内に蓄積されます。血行をよくして、エネルギーの消費量をアップさせることで体の中に脂肪がたまりにくくなります。
脂肪を燃やすには、体内で作られるコエンザイムQ10だけでは足りなくなります。このため、外部から補うことが必要になるのです。ところが、コエンザイムQ10は脂溶性ですが、消化吸収が悪いので食べた分量の半分以上が排出されてしまいます。効率良く摂取するには、サプリメントが良いようです。
まとめ
コエンザイムQ10は、心臓病のくすりとして使われてきました。最近では美容やダイエットにも効果があるといわれている理由はエネルギーを生み出す助けをするこ点からです。
体内で合成できるコエンザイムQ10は、年齢とともに合成量が減ってしまいます。これをサプリメントなどで補ってあげることによって、抗酸化作用が高まり、ダイエットのための脂肪燃焼にも役立つというわけです。食べものではほとんどが排出されてしまうので効率よくサプリを活用するのがいいですね。